こんにちわ。
この前は患部別の皮膚からの吸収の差のお話をしました。
今回は皮膚の水分量による、吸収量の違いについてお話ししたいと思います。
お風呂にゆっくり浸かっていると、ふやけることがあると思います。これは皮膚の角層が水分を吸収することによります。
この現象を『水和』と呼んでいます。
実は、角層の水分含有率が高まると、薬物の吸収が大幅に高まることが知られています。
逆に、乾燥すると低下します。
乾燥および水和した角層にサリチル酸エステルを塗布し、尿中排泄量を比較した結果を下図に示します。(尿中排泄が多いということは、体に吸収されている量が多い、ということです。)
このように、水和状態だと、薬剤の吸収が多くなります。
つまり、お風呂上がりに湿布貼ると吸収が増加してよく効くと考えられた、というわけです。
皮膚の温度も吸収に関係しています。
皮膚の表面温度が10℃から37℃に上昇すると、皮膚透過性は10倍になると言われています。しかし、風呂上がりでも、温度が持続的な上昇を保ってるわけではないので一時的な効果となる場合が多いと考えられています。
このように、同じ人の皮膚でも状態によってお薬の効果が変わる場合があることを知っておきましょう^_^