便秘の薬は大きく分けて2種類あります。
①刺激性下剤
その名前の通り大腸を「刺激」することで動かし、排便を促進します。効果が強い反面、腹痛をきたすことがあります。
効果が出るまでに数時間(6-10時間程度)かかるので即効性はありません。
市販の薬ではコーラック、処方箋医薬品ではピコスルファートナトリウム、センノシドなどがあります。
漢方薬の大黄甘草湯も刺激性下剤にあたります。漢方薬だから効果は優しいというわけではないので注意が必要です。
②浸潤性下剤
こちらは浸透圧を利用して便に潤いを持たせ、やわらくすることで便を出しやすくする薬剤です。
刺激は少ないため、緩やかに便を出すことができますが、刺激性下剤ほど効果は強くなく、直腸付近ですでに固くなってしまっている便にはほとんど効果がありません。
市販薬でも処方箋医薬品でも酸化マグネシウムがよく使われています。
(市販薬の中には刺激性下剤+浸潤性下剤の合剤もあります)
水を便に含ませる薬剤なので、多めの水で飲むと効果が高まります。
腸が動いていないことが原因の便秘には①を、便が固くて詰まっている便秘には②を使用すると良いです。
自分の便秘の型にあった薬を選ぶことが大切です。例えば、硬い便が直腸で詰まっており栓をされている状態になっているのに刺激性下剤を使用してしまうと、「腸は動いているけど便がでない」となる場合もあるので自分に合っているかどうかの判断も必要です。
最終的に「気持ちよく排便ができる」ということが目標になるため、一般的な用法用量は目安であり、自分に合った量を調整される場合が多いです。医療者と相談しながら自分に合った便秘薬と使い方を考えていきましょう。