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乾燥肌の方は保湿クリームを使用していることが多いかと思います。

ドラッグストアで購入したり、医師から処方されたクリームであったりしますが、保湿剤は１日何回程度塗るのが良いのでしょうか。

薬の説明書の指示回数や、医師からの指示回数もいろいろなパターンがありますよね。

例えば

など、その回数は様々です。ではどのように考えれば良いのでしょうか？

実は塗り薬のほとんどは、厳密に使用回数が決まっているわけではありません。

（だからと言って、自由に何回でも塗って良いわけではありません！！）

ステロイド剤や抗生剤のような保湿剤ではない塗り薬は皮膚の状態によって医師が塗る回数を決めています。

塗りすぎると副作用が出ますので、指定された回数のみ使うようにしてくださいね。

ただし、保湿剤はその限りではない場合が多いです。

よく保湿剤として使われるものでは

①　尿素クリーム（ウレパールⓇ）　　　　　　　→　　1日2-3回だが医師の裁量で増減可能

②　ヘパリン類似性物質（ヒルドイドソフトⓇ）　→　　1日数回

③　白色ワセリン（プロペトⓇ）　　　　　　　　→　　規定なし

などがありますが、添付文書（お薬の説明書）にも上記のように使い方は様々で、回数が指定されているものは少なく、「医師が決める」ものであることが分かります。

これだけ見ると「え、結局1日何回塗ったら良いの？」と思うかもしれませんね。

「決まってないなら何回も塗る方が効果がでるんでしょ？」と思われるかと思います。

実はそれ・・・だいたい正解です(^^)/

下に保湿剤（ヘパリン類似物質）を1日1回塗った場合と、1日2回塗った場合の保湿効果を比較したグラフを示します。

保湿剤は使い始めて大体1週間くらいで、お薬の効き目が最大限に出てくる時期（定常状態）とされています。

1日1回と1日2回を比較するとこのように、効果が約2倍になっていることが分かります。

実は1日3回、4回と増やしていくと、回数を増やした分だけ効果が増えるという実験結果も出ています。

このように保湿剤はたくさん回数を塗れば、それだけよく効くといっても良いかもしれません。

しかし現実問題、そんなに1日何回も保湿剤を塗れますか・・・？

乾燥肌でお悩みの方はお仕事やご家庭が忙しかったりして、自分自身のケアをできていない方が多いです。

そんな人に「1日5回は塗ってください！」なんてとても言えないですよね。

なので、保湿剤は基本的に「可能な限り多い回数塗る」ように指導することが多いです。

じゃあせめて、いつ塗るのが一番効果的か教えてもらいたいですよね。

よく、「お風呂上りに塗ってくださいね」と指示をうけると思いますが、あれって実際どうなんでしょうか？

それについてもデータがあります。

なんと、「お風呂を出てから1分後に塗った効果」と「お風呂を出てから1時間後に塗った効果」ってそんなに変わらないんです！これは健常人でもアトピー性皮膚炎の方でも同じような実験結果が出ています。

つまり、保湿剤は「塗りやすい時間に」「できるだけ塗る回数を多めに」すると良いということが分かります。

ですが私が患者さんに「1日2回の薬はいつ塗れば良いですか？」と聞かれたらこう答えます。

「1回目は朝着替える時に。２回目はお風呂上りに塗ってくださいね。」とお伝えします。

いつでもいいんちゃうんかい！？と思いましたよね笑

なぜこのタイミングが良いかと言いますと、理由は2つあります。

①　朝や入浴後の着替えるタイミングは服を着ていないので塗りやすい

②　お風呂上りは肌の水分量が多いので、薬が伸びやすく、塗りやすい

という理由です。

例えば胸に塗り薬を塗るとき、いちいち服をたくし上げないといけませんが、着替えるタイミングならその煩わしさが少ないですよね？お風呂あがった全裸の時も塗り薬は塗りやすいですよね？つまりはそういうことなんですね。

今回は保湿剤について書きました。

結局は毎日必ず使うことと、できるだけ回数を多く使うこと、これがポイントになりますね。

保湿剤はお肌に擦り込む方がよく効きますので、痛みや刺激が無ければ軽くすりこむように塗ってくださいね。