こんにちは。
最近、「頭がかゆいなぁ」ということはありませんか?
ペンギン薬局にも「頭のかゆみ」でご来局される方が増えてきています。
そんな時にちょうど新聞でも取り上げられておりましたので、今回は「頭のかゆみ」について記載しようと思います。
一言で「頭のかゆみ」といっても原因は様々です、脂漏性皮膚炎や接触性皮膚炎などありますが、今回は題名にもあるように「アタマジラミ」が原因の場合です。
名前のままですが、頭に寄生するシラミの一種です。
なんと、このアタマジラミさんは、人間の頭にしか寄生をしないシラミです。
頭皮から血を吸って成長するが、吸血時に出す唾液で頭皮がアレルギー反応を起こし、蚊に刺された時と同じようにかゆみが生じます。
やっかいなのは、「頭に定着し、髪の根元に卵を産んでどんどん増えていくこと」です。
一年中、誰にでも感染し、1、2匹しか寄生していない感染当初は自覚症状がないが、1か月後には100匹以上に増え、頭がかゆくなります。かゆみは人それぞれだが、血が出るほどかきむしってしまうと、その傷から別の感染症にかかる恐れもあるんです。
駆除するにも、とてもすばしっこく、見つけるのは至難の業です。このため、成虫ではなく、卵の有無をチェックする。
見つけやすいのは、耳の後ろや後頭部、襟足。フケやホコリとの見分けは難しいが、卵は髪にがっしりくっついており、指先の感触で判別できるそうです。
家族の中で1人でも、特にお子さんに、アタマジラミが感染していたら要注意です。
というのも、感染経路で最も多いのは頭と頭の接触です。子どもは頭をくっつけて遊ぶのが大好き。保育所で同じ寝具で昼寝したり、くしや帽子、タオル、ヘッドホンを使い回したりして、うつることもある。子どもが感染したら、家族全員で一斉に駆除を行いましょう。
基本的には専用のシャンプーを使用して駆除していきます。
専用シャンプー治療には、フェノトリン配合の駆除用シャンプーかパウダーを使います。(ペンギン薬局では「スミスリン」というシャンプーを取り扱っております。)
ただし、シャンプー製剤は卵には効果が乏しいため、孵化する時期を狙って3日に1度ずつ、3、4回繰り返します。目の細かい専用のすきぐしを使い、丁寧にとかすと卵の抜け殻も取り除けます。
また、近年、フェノトリンが効かない「抵抗性シラミ」が発生しています。全国的には数%とみられますが、沖縄県ではほとんどがこのタイプで、集団感染が深刻化しているそうです。現状ではすきぐしで取り除くしかないですが、海外では、シラミの気門を塞いで窒息死させる「ジメチコン」入りのローションが市販されています。
さらに、ノーベル生理学・医学賞受賞者の大村智さんらが開発した抗寄生虫薬「イベルメクチン」の塗り薬も登場しました。
(この「イベルメクチン」はコロナウイルスにも効く可能性が浮上しており、注目されていますね。)
国内でも使えるよう大学や製薬企業が研究開発を進めており、製品化が待たれています。
診断がつけば、専用シャンプーで駆除できるため、神経質になる必要はありません。
家族同士で頭に触れるものを共有しないように注意しましょう。駆除できない場合は抵抗性シラミを疑い、皮膚科を受診しましょう。