最近、アタマジラミの患者さんをよく見かけるようになりました。
アタマジラミは子供におおくみられ、頭同士が接触しただけで感染します。
コロナ渦前の暮らしに戻りつつある今、人との距離が近づいています。
アタマジラミはやっかいなことに成虫の寿命は約1か月でも、その間多ければ150個も産卵し、どんどん増えることです。
頭同士の接触のほか、寝具やタオルなどの共有でも移ります。
通常のシャンプーではアタマジラミは落とせません。
数の少ないうちは「すきぐし」で髪を根元からといて除去できることもありますが、駆除剤の併用が必要な場合が多いです。
今まで、スミスリンシャンプーという「フェノトリン」という成分のシャンプーが使われてきましたが、抵抗性のアタマジラミが増えてきています。
2021年に新しい駆除剤が登場しました。「ジメチコン」という有効成分を含んだローション製剤です。
アース製薬が「シラミ取りローション」という商品名で販売しています。
三重県ではまだまだ抵抗性のアタマジラミは少ないため、従来のスミスリンローションも有効ですが、今後抵抗性のアタマジラミが増えてきた場合は、期待される薬剤の1つかと思います。
また、新型コロナウイルスに有効かも?と一時期騒がれた「イベルメクチン」という薬剤もアタマジラミに有効な可能性があるとして臨床試験もされているようです。
アタマジラミは清潔に生活していてもうつることがありますので、偏見をもたず、大人が正しい知識を知っていることも大切ですね。